山に降り注いだ雨が木々を濡らし、地中深く染みこみ、地中の養分を含みながらゆっくりと移動。やがて海の水と合流し、海藻や魚を育てる・・・。人間の感覚では到底理解し得ない自然界の大きな営みの周期。その周期のなかの一時期の海水を、ちょっと拝借して塩を作らせてもらっています。
幸い、対馬にはたくさんの山と緑があります。というより、山がそのまま島になったと形容した方がいいくらい、くねったリアス式海岸と険しい山が、海岸まで迫っているのが対馬の特長です。塩は不思議なもので、4、5日おきに適度に雨の降った時期に汲み上げたものが、最もまろやかな味を楽しませてくれます。森はどうやら、風味をも含んでいるようです。